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2019年センター国語の古文が百合だと話題に!玉水物語の現代語訳や続きも紹介!

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2019年1月19日、平成最後のセンター試験が始まりましたが、国語で出題された古文が話題になっています。

調べたところ今回出題された古文は、御伽草子の中の『玉水物語』という室町時代の作品でした。

ざっくり概要を説明すると、「美しいお姫様にお近づきになりたいがために、美少女に化けてお仕えする狐のお話」です。

過去にもセンター試験の国語では、一人称が「僕」であるボクっ娘女子高生が登場する作品や、「スピナトップ・スピンアトップスピンスピンスピン」などの衝撃的なカタカナ語が使われた作品、「おほほほほほほほほほほ」「あはははははははははは」というセリフが印象的だった作品が採用されるなどして、毎年のように話題に上がっています。

そして今年もまた話題性のある作品から出典・出題されたようですね。

それでは2019年センター試験の国語・古文で出題された『玉水物語』についてまとめます。

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『玉水物語』の内容は百合×人外×性転換?

引用:言霊

『玉水物語』は「美しい姫君に一目惚れした狐が、男…ではなく綺麗な女性の姿に化けて姫君にお仕えするお話」となっています。

ケモノ(人外)」「百合」「性転換」と、見事に現代の性癖が詰め込まれた作品となっています。

これ、出題者の方は絶対に狙ってやってますよね。笑

現役時代に古文がとても苦手だった私としては、ただでさえ概要をつかみにくい古文においてこんなにややこしい要素が混ぜられた作品で出題されてはたまったものではないな…と感じてしまいましたが、ネット上では「よくやってくれた」と出題者を褒め称える声も多く見られました。

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『玉水物語』の原文や現代語訳はネット上で読める

玉水物語』は、鎌倉時代末から江戸時代にかけて成立した、押絵入りの短編物語を集めた『御伽草子』の中に収録されている作品です。

こちらは原文・現代語訳ともにネット上に無料公開されていますので、気になった方はぜひ以下のリンクから読んでみてください。

現代語訳をしている「京都大学貴重資料デジタルアーカイブ」では押絵も見られますのでぜひ。

姫君と狐の結末に注目です。

【現代語訳】

昔、鳥羽のあたりに高柳の宰相という人がいました。三十歳を過ぎても子供に恵まれませんでしたので、神仏に祈ったところ、めでたく姫君が誕生しました。よろこんで大切に大切に育てます。

 姫君は十四、五歳になりました。美しさは光るようです。その上和歌も上手でした。両親は宮仕えに差し上げようと思っていました。

 ある夕方、姫君は乳母子の月さえという女房ばかりをお供に連れて、花の園へ出かけ、花とたわむれて遊んでいました。

 ところが、実はこのあたりはきつねの住みかでした。その中の一匹が姫君を見つけ、
「何て美しいお姫様だろう。よそからでもかまわないから、時々お姿を拝見したいものだ……」
とたちまち恋に落ちてしまいました。

続きはこちら

<引用:京都大学貴重資料デジタルアーカイブ

【原文】

中比の事にや有りけむ、鳥羽の辺に高柳の宰相と申す人坐せしが、三十に余り給ふまで御子もなく、如何なればとて欺き給ひて、神仏に祈り申し給ひければ、其の効験にや北の方只ならず見へさせ給ふ、御悦び限りなかりけり。さて神無月の初めつ方に、姫君出で来給ひけり。手の上の玉と傅き育て奉り給ふ。三十二相の御容めでたく、誠に傍光る許りに見え給ふ。斯くて年月重なる侭に十四五に成らせ給ふ。吹く風立つ波につけても、心をかけて歌をよみ詩を詠じ、何となき御遊びにても類有り難く坐しければ、父母なべてならず思し傅きて、なほざりぱかりは痛はしく思召し、御宮仕へにや出し立てむと思す。御心様優にやさしく坐せば、前栽の花ども吹き乱れ、四方の山辺の霞み渡りいと面白きを、或夕暮に御乳母子の月さえと申す女房只独り御供にて花園へ立出で給ひつゝ、花に戯れ、何心なく遊び給へり。此の辺には狐と申す者多く住みける処なり。折節此の花園に狐一つ侍りしが、姫君を見奉り、あな美しの御姿や、せめて時々も斯かる御有様を、余所にても見奉らばやと思ひて、木陰に立隠れて、静心なく思ひ奉りけるこそ浅ましけれ。

続きはこちら

<引用:J-TEXTS 日本文学電子図書館

出題部分のみの現代語訳も公開中

大学受験塾の講師をされており、30冊以上もの著書を持つ吉田裕子さんが、出題部分の現代語訳をしてくださっています。

その頃、この花園に狐が一匹いましたが、姫君を拝見し、「ああかわいらしいお姿だなぁ。せめて時々でもこのようなご様子を、遠くからでも拝見したい」と思って木陰に隠れて立ち、落ち着かずに思い申し上げたことこそ驚き呆れたことだ。姫君が帰りなさったので、狐も、こうしていられるものでもない、と思って、自分の塚に戻った。狐はひたすらに座禅をして、我が身のありようを考えてみると、

「私は前世にどのような罪を犯した報いで、このような獣として生まれたのだろうか。美しい人を見初め申し上げて、叶わない恋路に身を擦り減らし、虚しくも命を落としてしまうようなことになったら恨めしいことだ」

<引用:吉田裕子ブログ

続きは吉田裕子さんのブログからお読みください。

とても丁寧な現代語訳をしてくださっているので、試験を受けて気になった方はこちらも参考にどうぞ。

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ネット上での反応

やっぱり気になっている方が大勢いますね。笑

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まとめ

以上、2019年のセンター試験に出題された古文についてまとめました。

ここ十数年ほどは毎年のように話題に上がるセンター試験の国語ですが、今年はまさかの古文が話題をさらっていきましたね。

私も気になって現代語訳を全部読んだのですが、思いの外素敵なお話でしたよ。

こうしてみると、古典も現代に負けず劣らずおもしろおかしい作品があるんだなぁと知見を広められた気がします。

とにもかくにも受験された方はお疲れ様でした!

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