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なぜレジ袋が有料化されるのか?そのメリットやデメリットを調べてみた

環境省はプラスチックごみの削減を主な目的として、買い物の際に配られるレジ袋の有料化を全国の小売店などに義務付ける方針を固めたと発表しました。

10年ほど前から”エコ”が謳われ始め、全国のスーパーや小売店などで徐々にレジ袋が有料化されていきましたが、ついに義務化されることになりました。

レジ袋はゴミ袋として使い勝手がよいという声もあり、かくいう私もレジ袋をゴミ袋として使っていたのですが、これを機にエコバッグの購入を考えています。

今回は、全国でレジ袋を有料化することでどのようなメリットやデメリットがあるのか。
また、いつから義務化されるのかなどの情報も調べてまとめてみました。

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なぜレジ袋有料化が義務付けられることになったのか

そもそもの話ですが、環境省はなぜ今レジ袋有料化の義務付けに踏み切ったのでしょうか。

それは「プラスチックごみによる海洋汚染への対策」と「石油消費量の削減」が主な理由だと思われます。

あなたは日本国内で消費されるレジ袋は何枚ぐらいかご存知でしょうか。

全然想像つかないですよね。

なんと年間305億枚も消費されるそうです。

ただ、こんな数字を見たところでこれがどれぐらい深刻な数字なのかはわかりませんよね。

日本人が約1億人いるとして、305億枚を1億人で割り算すると1人あたり年間約300枚ものレジ袋を使っている計算になります。
しかもこの305億枚という数字はスーパーで配られる大型のレジ袋のみの数字になりますので、コンビニなどで配られるものも合わせると実際はさらに多くのレジ袋が使われているんですね。

1人1日1枚以上のレジ袋を使っているのですから、街や川、海などに捨てられて汚染につながってしまうのは想像に難くないですよね。

またレジ袋305億枚を作るために必要な石油量は約60万キロリットルですから、もし仮にレジ袋が無くなればこれだけの石油が節約できるということになります。

レジ袋を使う人が少なくなれば海洋汚染の防止と石油の節約という2つの対策が同時にできるわけですね。

全国的にエコ意識が十分に高まってきた現在であれば、小売店やコンビニなどの理解も得られやすいと考えてレジ袋有料化の義務付けることにしたのではないかと思われます。

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レジ袋有料化(削減)によるメリットとは?

前述した内容と少し被りますが、レジ袋の有料化を義務付けることによって以下のようなメリットが期待できます。

  • 土壌汚染や海洋汚染の抑制
  • 石油消費量の削減
  • レジ袋焼却時のCO2の抑制
  • エコ意識の向上
  • エコバッグ市場の拡大

ただし、一概にメリットとは言い切れないものもありますので、よく読んでいただきたいと思います。

それでは1つずつ見ていきましょう。

レジ袋有料化によるメリット①土壌や海洋汚染の抑制

まず大きなメリットとして挙げられるのは、土壌汚染や海洋汚染の抑制につながることです。

特に海洋汚染は日本だけでなく世界中で問題となっており、レジ袋をエサと思って飲み込んだ海洋生物や鳥などの内蔵に蓄積してしまったり、窒息死させてしまったりしています。

以前ニュースでとりあげられていましたが、海岸に打ち上げられた鯨の死体からプラスチックのコップ115個、ペットボトル4個、レジ袋25個など、約6キロ近くのプラスチックゴミが発見されたそうです。

プラスチックゴミを大量に飲み込んでいた鯨の死体引用:BBC

1匹のクジラからこれだけのゴミが発見されているのですから、いかに海が汚染されているかがわかりますよね。

またレジ袋は時間が経過しても自然に還ることはありませんので、海だけでなく土壌をも汚染し続けてしまいます。

レジ袋有料化によるメリット②石油消費量の削減

前項でも少し触れましたが、日本国内で1年間に消費されるレジ袋はおよそ305億枚で、1人あたりでは年間約300枚を消費している計算です。(※1)

またこの数字にはコンビニのレジ袋は含まれていないため、それも含めると1人あたり年間450枚程度消費しているそうです。

レジ袋1枚あたり約20mlの石油が使われるため、年間で約90万キロリットルの石油がレジ袋の生成に使用されていることになりますね。

ただ、数字だけ見ると莫大な石油が使われているように思われますが、日本の石油消費量は年間約2.4億キロリットルであり、このうちの90万キロリットルというと0.375%に過ぎません。

さらにレジ袋は外国から輸入もされているため、実際の数字はもっと少ないと思われます。

このため、メリットと言えばメリットなのですが、多少レジ袋の使用を節約したところで「石油消費量を削減できた」と高らかに謳えるかというと少し疑問が残りますね。

※1:この「約305億枚」という数字は2002年に提示されたものであるため、現在はさらに増大していると思われます。ただ、現在の正確な数字は出ていないため、当記事では便宜上「レジ袋が年間約305億枚使われている」として扱います。

レジ袋有料化によるメリット③レジ袋焼却時の二酸化炭素(CO2)発生の抑制

レジ袋(多くは高密度ポリエチレン製)を焼却すると水と二酸化炭素が発生するため、レジ袋を削減することでこれらの発生を抑えることができます。

ここで押さえておきたいことは、二酸化炭素の発生=地球温暖化にはつながらないということです。

先日アエラドットの記事でも作家の広瀬隆さんが述べていましたが、地球の大気中のCO2濃度の最高値が毎年更新されているにも関わらず、1998年以後10年間も地球の気温が上昇せず、むしろ温度が下がる期間が続いています。
このため、あれだけ騒がれた「CO2の発生が温暖化につながる」という話は嘘だったと考えられます。

レジ袋削減によってたしかに二酸化炭素の発生は抑制されるのですが、温暖化との因果関係が疑われる中でそのメリットがあるのかどうかは疑問です。

しかもプラスチック製の袋は薄くて発熱量が高く、エネルギー回収も効率的に行うことができるため、可燃ごみの焼却時にはむしろ良い燃焼剤となります。

生ゴミだけを燃やすと余計に原油が必要となり、資源の無駄使いになってしまうため、逆にデメリットとなってしまう可能性もあるのです。

レジ袋有料化によるメリット④エコ意識の向上

レジ袋が有料化されることによって人々のエコ意識の向上が期待できます。

というのも、イギリスではそれまで無料で配っていたレジ袋を2015年10月から有料化したことによって、なんと約90%の買い物客がレジ袋を持参するようになったという事実があるためです。

スコットランド、ウェールズ、北アイルランドですで実施されていたにレジ袋の有料化にイングランドが舵を切ったのは2015年の10月のこと。それまで年間約76近く、タダで配られてきたレジ袋の削減が目的でした。

有料化の結果、およそ90%の買い物客がマイバックを持参するようになった、と伝えたのは、経済社会総合研究所(ESRC)が支援しカーディフ大学と民間企業による共同調査チーム。イングランド、ウェールズ、スコットランドに暮らす3,000人を対象に、有料化の前後1ヶ月、半年後、そして今回の1年後と追跡調査を実施し、分析していきました。

結果、これまで4人に一人が手にしていたレジ袋が有料化を機に7%ほどにまで減っていることが判明。このことからも、一様の成果はあったことが分かります。
<引用:TABI LABO

さらに、イギリス周辺の海洋ゴミからレジ袋が徐々に減少していたり、スーパーでの買い物だけでなく、ロンドンの主なファッションストリートでもエコバッグを手にする人が増えていたりと、明らかにエコ意識が向上しています。

これは日本でも期待できるメリットではないでしょうか。

レジ袋有料化によるメリット⑤マイバッグ市場の拡大

これは私たち消費者にとって直接的なメリットではないかもしれませんが、レジ袋有料化によってマイバッグ(エコバッグ)の市場が拡大することが期待できます。

現在では様々なデザインやサイズのマイバッグが発売されており、ファッションの一部になってきていますが、レジ袋の有料化が義務化されることでこの流れはさらに加速することでしょう。

ひいては関連企業に務める方々の賃金上昇も見込めるかもしれませんね。

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レジ袋有料化(削減)によるデメリットとは?

逆にレジ袋の有料化を義務付けたときに生じるであろうデメリットにはどのようなものがあるでしょうか。

  • マイバッグやレジ袋購入の負担
  • 万引き増加の恐れと対策の負担
  • 本当に環境保全に繋がるかどうかが不明瞭
  • レジ袋が安価なため購入する人が減らない可能性がある
  • レジ袋製造業界にとっては向かい風

これまで無料でもらえていたレジ袋が有料化するため、マイバッグやレジ袋を購入するという金銭的負担が増加します。

とはいえマイバッグは一度買えばずっと使えますし、レジ袋も今のところはだいたい2~5円で購入できるためそこまで大きな負担にはならないと思われます。

 

しかしそうなると次に現れる問題が、マイバッグの持参による万引き増加の恐れです。

万引き犯によって経営難に陥り、店を畳まざるを得なくなった小売店は少なくありません。

中身の見えないマイバッグの普及と同時に、企業や自治体単位で万引き対策に追われる可能性があります。

 

またレジ袋有料化によってレジ袋の消費量が減ったとしても、それが本当に環境保全に繋がるのかが疑問視されています。

というのもレジ袋は『とても使い勝手のいいゴミ袋』であるために、有料化になったとしても1枚数円程度なら買うという人が少なくないことや、たとえレジ袋を使う人が少なくなったとしても別途ゴミ袋を購入する人が増えるだけで、結局ビニール袋自体の消費量は変わらないのではないかという見方もされています。

SNS上の声を見ていても、レジ袋が有料化しても買うという人やマイバッグを使い始めたとしてもゴミ袋は別に購入するという人は多そうです。

以上のような問題点も見据えてレジ袋有料化を実施していただきたいですね。

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レジ袋有料化の義務付けはいつから、何円で実施される?

2019/6/15 最新情報追記!

レジ袋の有料化は最短で2020年4月1日から義務付けられることになりそうです。

世耕弘成経済産業相は15日、20カ国・地域(G20)エネルギー・環境相会合で、小売店などで配られるレジ袋について、2020年4月1日にも有料化を義務付ける方針を明らかにした。
<引用:日本産経新聞>

2020年のオリンピック・パラリンピック開催に向けて、来年4月には間に合わせたいということのようですね。

レジ袋有料化ついてのまとめ

レジ袋を含むプラスチックごみによる土壌汚染や海洋汚染問題は日本だけでなく国際的な課題となっていますから、そこに対して環境省が大きく舵取りを始めたことはとても喜ばしいことだと思います。

ただしレジ袋有料化によるメリットの項でも解説したとおり、CO2を削減しても意味がないのでないか、そもそも石油消費量の削減が微々たるものでしかないのではないかといった疑問も少なくありません。

また、この法律によって本当に環境保全対策になるのかどうかも疑問視されており、たしかに『レジ袋』を使う人は少なくなるかもしれませんが、結局ゴミ袋を別途購入して使う人が増えてしまえば全く意味がありません。

石油消費量の削減やエコ意識の向上が絵に描いた餅にならないように。
また個人・企業・環境のどれもがWIN-WIN-WINとなれる施策となるように頑張っていただきたいですね。

それではここまでお読みいただきありがとうございました!

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