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人工血液のメリットとは?動物実験成功で人間に使える日も近い?

日本の輸血システムは世界最高峰のレベルにあり、多量の出血をしてしまっても病院にさえ行ければ安心できます。

しかし、現在問題となっているのが血液のストック不足です。

日本は自然災害の多い国であるため、ひとたび大災害が起きると何十万、何百万人レベルでの輸血が必要となる可能性があります。

しかも血液は長期保存ができないので、継続的に献血を募る必要があります。

この問題を解決しうるのが「人工血液」です。

今回はこの人工血液に着目し、人工血液とはどういったものか、どのようなメリットがあるのかをまとめました。

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人工血液(代替血液)とは?

人工血液(代替血液ともいう)とは、輸血の際に血液の代用として用いられる液体のことです。

輸血用血液製剤には「赤血球製剤」「血漿製剤」「血小板製剤」「全血製剤」の4つがあり、以前は採血した血液そのままの「全血製剤」での輸血が主流でしたが、現在では血小板のみ、赤血球のみなど、患者に必要な成分だけを輸血する「成分献血」が主流です。

この「成分献血」で血液の代わりになるかもしれないと期待されているのが人工血液というわけです。

2019年9月11日に発表された、防衛医大がウサギの実験で成功したという人工血液は、細胞に酸素を運ぶ赤血球と傷口をふさぐ血小板の2つの成分からなるものでした。

これがもし人間にでも使えるとなると、医療現場には大きな革命となるでしょうね。

人工血液のメリットとは?

それでは人工血液がもし人間に使えるように実用化されるとどのようなメリットがあるのかを見ていきましょう。

人工血液のメリット①:常温で1年以上保存可能

輸血用の血液である「赤血球製剤」「血漿製剤」「血小板製剤」「全血製剤」は、どれも保存期間が短かったり、冷蔵・冷凍保存しなければならなかったりといった欠点があります。

しかし人工血液は常温で1年以上も保存可能となっており、実用化されれば保管条件や保存期間の問題が飛躍的に解決します。

人工血液のメリット②:血液型を問わず使える

通常輸血は、輸血用血液製剤と患者の血液型が合致していなければできません。

血液型によって保持している抗体の種類が違うため、血液型の違う血液を輸血してしまうと抗体と抗体が攻撃しあって赤血球が破壊されてしまい、大惨事となってしまうからです。(例外もあります)

しかし人工血液の素晴らしいところは、患者の血液型を問わず使えるという点です。

血液型ごとに血液を保管する必要がなくなるため、保管スペースが少なく済んだり、現場での利便性が大きく向上したりといったメリットがありそうですね。

人工血液のメリット③:事故現場で輸血でき、救命率が上がる

上で述べたとおり人工血液は血液型を問わず使えるため、病院に到着する前に事故現場で輸血することが可能になり、救命率が上がります。

日本では離島など施設や機器が不十分な地域も多いため、長期保存ができる人工血液を常備しておくことで不測の事態にも備えることができます。

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動物実験は成功。人間に使えるようになる時期は未定。

 

防衛医大が開発した写真の人工血液は、ウサギを使った動物実験で成功しています。

重篤な出血状態のウサギで実験して10羽中6羽が助かっており、本物の血液を輸血した場合と同程度の結果だそうです。

研究成果の論文はこちら(英文)にあります。

人間に使えるようになるのはいつになるかといったことはまだわかりませんが、動物実験で成功したのちに実用化に至る例は過去にもたくさんありますので、近い将来きっと人間にも使えるようになると思われます。

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