2月3日といえば節分。
節分といえば豆まきをし、歳の数だけ豆を食べて一年の健康を祈願する人も多いと思いますが、この日にはもう一つ「恵方巻きを食べる」という慣習があります。
この「恵方巻き」は今でこそ全国的に知れ渡った文化ではありますが、元はコンビニ最大手のセブンイレブンが太巻き寿司に名付けて仕掛けたものであり、その呼名が全国区となったのは2000年以降と、実はつい最近定着した風習なのです。驚きですよね。
今回は知っているようで知らない恵方巻きの意味や由来、正しい食べ方などを解説していきます。
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恵方巻きの由来や具材の意味とは?
今でこそ日本全国でその呼名が定着している「恵方巻き」ですが、元々は恵方巻きという言葉は存在しませんでした。
「なぜ太巻き寿司を恵方を向いて食べるとよいとされたのか」というところの起源については諸説あり、現在でも性格なルーツはわかっていないようです。
ただ、1940年(昭和15年)に大阪鮓商組合後援会が「節分に太巻き寿司を恵方を向いて無言で食べると縁起がよい」というチラシを配って太巻き寿司を売っていたという資料は残ってるとのこと。
その配られていたチラシがこちら。
その後一度は廃れた風習だったのですが、1989年にセブンイレブンがこれに目をつけて太巻き寿司を「恵方巻き」と称して売り出したことにより、徐々にその呼称や風習が定着し始め、2000年以降は急速に全国に広まりました。
こうして恵方巻きが誕生したわけですね。
意外と最近生まれた日本の風習なのです。
恵方巻きに巻かれる7種類の具材の意味とは?
恵方巻きに巻かれる具材は基本的には7種類とされています。
これは七福神にちなんでおり、特に「この具材でなければいけない」というルールはなく、とにかく7種類巻いていればOKということです。
代表的な具材は、かんぴょう、きゅうり、たまご焼き、しいたけ、うなぎ、アナゴ、桜でんぶ、エビなどですね。
自分で作る場合は好きな具材を巻いてみましょう。
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恵方巻きの正しい食べ方
それでは恵方巻きの正しい食べ方をしっかり確認していきましょう。
1.恵方巻きを1人1本用意する
手作りでもよし。買ってきてもよし。
とにかく手巻き寿司(太巻き寿司)を1人1本用意しましょう。
このとき巻き寿司を包丁などで切り分けるのはNGです!
切るとそこから福が逃げるとされているので、女性やお子さんなど一気に食べ切れる自信のない方は細く巻くか、短めの巻き寿司を買ってきましょう。
2.恵方を向いて食べきる
2019年の恵方は「東北東」です。
「真東より少し北寄りの方角」ですね。
恵方にはその年の福徳を司る歳徳神(としとくじん。年神様とも言う)がいらっしゃり、「歳徳神に今年の幸せを丸ごと頂く」という意味がありますので、恵方巻きを食べている間はずっと恵方を向いて食べきりましょう。
途中でよそ見をするとご利益がなくなってしまうそうですよ。
3.願い事をしながら黙って食べきる
また恵方巻きを食べるときは願い事をしながら、黙って食べきりましょう。
喋ってしまうとそれもまたご利益が得られなくなってしまうそうです。
よく「口から恵方巻きを離してはいけないの?」という疑問の声が上がりますが、これは離しても大丈夫です。
とにかく「恵方を向いて」「黙って」「話さず」に食べきればOKです。
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知っておいて頂きたい恵方巻きの廃棄問題
明るい話題から一転してしまって申し訳ないのですが、この記事を読んでくださっているあなたにどうしても知っておいていただきたい「恵方巻き」に関する社会問題をお話しておきます。
ここ数十年で一気に全国に広まった恵方巻きの文化ですが、市場規模の拡大に伴って企業間の競争も激化し、毎年節分の時期が近づくとスーパーやコンビニがこぞって大量に恵方巻きを生産・販売するようになりました。
その市場規模たるや2015年時点で推定540億円ほど。
2月最大の商戦であるバレンタインが推定1250億円ほどとのことですから、その半分近くもの規模があるのです。
そして生じたのが「恵方巻きの大量廃棄問題」です。
豆じゃなくて恵方巻で鬼撃退できそうな量の廃棄 pic.twitter.com/r1wuL4uM4G
— 無職終了のお知らせ (@29Masato) 2016年2月3日
中の人です。つい先程立ち寄ったコンビニで並べられていた大量の恵方巻きの売れ残り。店員さん曰く「明日にはすべて廃棄されるだろう」とのこと。全国のコンビニで同様の事態が起きていないといいのですが…#恵方巻き #売れ残り #もったいない pic.twitter.com/Jn5II8vOzR
— うまナビMAX|すべて無料の競馬予想 (@umanavi_max) 2016年2月3日
これ全部恵方巻き
26万円の廃棄
二度と恵方巻き見たくない pic.twitter.com/Eu2okPtydo— たけうち (@ele_vioIa) 2016年2月3日
恵方巻きを大量に作ってコストを下げて大量に売れ!・・・ればいいのですが、年々激化する競争でどこもかしこも生産過多となり、ものすごい量の食品廃棄が生じてしまっているのが現状です。
昨年の節分には、食品のリサイクルを手がける神奈川県相模原市の日本フードエコロジーセンターに普段のご飯物の2倍の量が運び込まれたそうです。
これは食品ロスの削減を目指している昨今の日本に逆行する大きな問題です。
この事態を憂いた農林水産省は2019年1月11日、スーパーやコンビニなどの業界団体へ「食糧資源の有効活用の観点から、需要に見合った販売を行ってほしい」と要望を送ったとのことです。(参照元:ヤフーニュース)
また兵庫県にある「ヤマダストアー」も昨年発行したチラシで「もうやめにしよう」「今年は全店、昨年実績で作ります」と訴えたことで話題になりました。
ようやく国や企業が積極的に大量廃棄問題にアプローチしてくれてとても嬉しく思います。
今年の節分は食品ロスが大幅に削減されることを願います。
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まとめ
以上、恵方巻きの由来や意味、食べ方についてまとめました。
ただ漫然と「縁起が良いからやる」というのではなく、こうしてきちんと由来や意味を知っておくとより楽しめますよね。
験担ぎや縁起担ぎが大好きな日本人らしい風習だと思いますが、上記したとおり近年では売れ残った恵方巻きの大量廃棄が問題視されており、せっかくの素敵な文化が台無しになってしまっています。
何事も日本人らしく、節度をもって楽しみたいものですね。
ここまでお読みいただきありがとうございました!
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