9月24日午前11時頃、宅配大手・ヤマト運輸の荷物の送り状を発行するシステム「B2クラウド」で障害が発生しました。
すぐに復旧するかと思いきや、同日18時時点でも復旧目処が立っておらず、全国の法人で困惑の声が上がっています。
2019-09-24 18:00時点で復旧に向けて対応しているがまだ復旧できていない。らしい。
クライアント版B2からB2クラウドへの移行でボロボロになってからそろそろ1年。どんな障害なんやろ。— 山本学'(社内SE) (@m_yamamo0417) September 24, 2019
クロネコヤマトのビジネスメンバーズ 結局 半日以上ダウンしたまま。
商用の、それも法人向けサービスがこんなにもダウンするなんて、一体何が…ってハード障害かなあ。
本注文直前までは進行したし、アドレス帳の新規データ追加も通ったから、送り状発行の番号発番あたりでコケたか。— 侵略帽子屋 (@invadercap) September 24, 2019
全国の多くの法人が使っているサービスだけに、このシステム障害による損失は計り知れません。
今回はこの送り状発行システム「B2クラウド」の障害の原因を探るとともに、送り状の発行や荷物を発送する別の方法をまとめました。
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ヤマトの送り状発行システム(B2クラウド)の障害の原因は何?
ヤマト社員の給与明細閲覧ページへの多数同時アクセスが原因?
2019年9月24日午前11時頃に起きた、ヤマト運輸の送り状発行システム不具合の原因は何なのでしょうか。
「送り状発行システムB2クラウド」は、その名の通りクラウドサービスであるため、ネットワーク障害などが生じると使えなくなる可能性があります。
今回の不具合は、ログイン自体はできるものの送り状を発行する画面に移行するとシステムエラーになってしまうというもので、やはりクラウド上で何かしらの障害が起きたと考えられるでしょう。
そしてB2クラウドが使用しているのは「パブリッククラウド」と呼ばれるサービスです。
パブリッククラウドとは、クラウドプロバイダーなどが提供するクラウド環境を、企業や組織をはじめとした不特定多数のユーザにインターネットを通じて提供するサービスのことです。
ちょっとわかりにくいですが、不動産で言うとマンションの一室をヤマトが間借りしているような感じですね。
自前でクラウド環境を用意する必要がないため、導入が簡単でコストも抑えられるのがパブリッククラウドの特徴ですがデメリットもあります。
まず、常時インターネットに繋がっているためセキュリティに少々不安があります。
今回のシステム障害も、外部からなんらかの攻撃を受けた可能性が考えられます。
またもしなんらかの障害が発生した場合に、パブリッククラウドのユーザーはプロバイダーからの障害復旧の連絡を待つことしかできず、コントロールのしようがありません。
そのため今回の場合、ヤマト運輸が直接障害復旧作業にあたっているわけではなく、パブリッククラウドを提供しているクラウドプロバイダーが行っていると思われます。
このクラウドプロバイダーがどこかというのは公になっていないのでわからないのですが、こうした障害対応に慣れていないプロバイダーの場合、復旧作業が長引くことが予想されます。
障害発生からおよそ7時間が経過した9月24日18時時点でも、不具合の原因については「確認中」となっており詳細は判明していない様子です。
いち早い復旧と、各データが無事であることを祈るしかなさそうです。
こちらは詳細が判明次第追記します。
9月24日21時 最新情報追記
一部ユーザーではB2クラウドが正常に稼働しており、送り状の作成・発行が行えているようです。
ヤマトの方で公式発表はなく、全国で復旧したかどうかはわかりません。
9月25日16時 最新情報追記
システム障害発生から丸一日経った9月25日16時現在でも、未だにB2クラウドは復旧しておらず原因も調査中とのことです。
「接続しづらい状況」
「接続しづらい場合は、数分待って再度接続していただけますようお願いいたします」
とのことで、試しに送り状発行画面に入ろうとしてみましたがやはりエラーが起きてしまいました。
「ヤマトビジネスメンバーズ」に登録している企業は数十万社に上るとのことで、このまま復旧作業が長引くとヤマトに宅配を委ねている企業は多大な機会損失を被ることになりそうです。
9月26日7時 最新情報追記
障害発生から2日が経ちましたが、まだしばらく復旧に時間がかかる見込みとのことです。
ただ、インストール版のB2を利用できるようになったようです。
インストール版のB2の利用方法は、次項の③をご覧ください。
9月26日20時 最新情報追記
B2クラウドのシステム障害の原因がほぼ判明しました。
こちらのツイートをご覧ください。
ヤマトの送り状発送できないの、今日ドライバーさんから聞いたら社員さんの給与明細が今月からネットで見れるようになった→みんな見る→弱小鯖が死んだ→B2クラウドにも影響 っていうのを聞いた 原因不明って書いてた気がするけど不明じゃない…明確じゃん………
— 内田氏 (@770uchichi) September 25, 2019
ヤマトのドライバーさんによると、社員の給与明細が今月からネット上で見られるようになったそうで、社員の皆さんがこぞってアクセスしたそうです。
ヤマトの従業員数は2018年時点で17万人以上ですから、もしこの1割でも一斉にアクセスしたとしたら1万人以上がサーバーに同時アクセスすることになり、負荷に弱いサーバーだとシステムダウンする可能性は大いに考えられます。
そしてB2クラウドでも同じサーバーを利用していたために使えなくなってしまったというのが原因のようですね。
このツイートへのリプライにも「これは、私もドライバーから昨日聞きました」とあったので、かなり信ぴょう性の高い情報だと思います。
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送り状の発行や荷物を発送する他の手段はある?
現在、B2クラウドで作成できる送り状を他の方法で印刷する手段はありません。
2019年3月31日まではソフトウェア版B2が使えたのですが、それも現在は使用できなくなっています。
そのため、現時点で荷物を発送する方法は以下の2つとなります。
①複写式(手書き)の送り状を使う
ヤマトの送り状がウェブ上から発行できないとなると、他の手段に頼るしかありません。
最も手っ取り早いのは、手書きの複写式の送り状を使うことです。
手元に複写式の送り状がない場合は近くのヤマト運輸の営業所かコンビニに行けば、元払い・着払いともに送り状が常備されているかと思います。
ただし白紙の送り状は「ご依頼主」欄も白紙で一枚一枚「届け先」と「ご依頼主」を書かなければいけないため、件数が何十件、何百件もある場合は現実的ではありません。
また、個人用に用意しているコンビニから大量に送り状を頂くのは常識的に考えてNGですので、どうしても本日中に手配しなければならない数件にとどめておきましょう。
ただ、ネコポスや代金引換の発送は手書きの送り状では対応していないため、システム復旧まで待つほかありません。
②佐川急便や西濃運輸の営業所や郵便局に持ち込む
ヤマトの送り状が手元になく、ヤマトの営業所やコンビニも近くにない場合は、ヤマトに並ぶ宅配大手の佐川急便や西濃運輸の営業所や郵便局への持ち込みも検討してみましょう。
ただし佐川や西濃は営業所によっては目的の発送方法に対応していなかったり、そもそも持ち込みに対応していない場合もありますので、よく調べてからご利用ください。
③B2インストール版を利用する(※以前に利用していたユーザ限定)
以前にB2インストール版を利用していた方はそちらが利用できるようです。(2019年9月26日現在)
以下公式サイトのお知らせを引用します。
【以前に「送り状発行ソフトB2(インストール版)」をご利用いただいたことのあるお客さま】
以前に「送り状発行ソフトB2(インストール版)」をご利用いただいたことのあるお客さまは、下記URLよりダウンロードし、送り状を発行いただきますようお願いいたします。以前に使用されていたユーザーIDとパスワードでログインいただけます。
■下記URLより再度ダウンロードいただけます
https://b2.kuronekoyamato.co.jp/b2pro/service?_P=ce02&_T=ab01
※ダウンロードとインストールの手順についての詳細は、こちらをご覧下さい。
※「送り状発行ソフトB2(インストール版)」についての詳細は、下記のマニュアルをご覧下さい。
http://www.kuronekoyamato.co.jp/newb2/help/manual/manual_sosa/index_ms.html
またこれまでに「送り状発行ソフトB2(インストール版)」を利用したことがないユーザについては、利用登録することで使えるようになるようです。
以下公式サイトのお知らせを引用します。
【新規に「送り状発行ソフトB2(インストール版)」をご利用のお客さま】
※9月26日13:30更新箇所これまでに「送り状発行ソフトB2(インストール版)」をご利用いただいたことがないお客さまは、下記URLよりご利用お申し込みをいただきますようお願いいたします。弊社でご利用登録をさせていただいたのちに、ユーザーIDとパスワードを発行いたします。
なお、お申込みいただいた順にご登録いたしますので、即日のご利用ができかねる場合がございます。
■下記URLよりお申込みいただけます
http://b2start.jp/b2pro/service?_T=aa02
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