ラグビーワールドカップ日本大会が大いに盛り上がっていますが、その中でも目立つのが世界ランキング1位のニュージーランド代表”オールブラックス”ですよね。
見た目通り、
ニュージーランド代表のユニフォームが真っ黒=オールブラックス(All Blacks)
という解釈で間違いではないのですが、オールブラックスと名付けられたルーツを調べてみるとそこにはおもしろい由来がありました。
今回はこのオールブラックスという通り名の由来を紹介するとともに、ユニフォームやハカに込められた意味ついても解説していきます。
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オールブラックスの由来とは?
ニュージーランド代表が「オールブラックス」の愛称で呼ばれるようになった由来を語るには、まずニュージーランドにラグビーが根付いた歴史からお話しする必要があります。
ニュージーランドにラグビーが伝来したのは1860年代後半、医学者で政治家のデビッド・モンロが留学先のロンドンでラグビーと出会ってニュージーランドに伝えたといわれています。
そして1892年にニュージーランド・ラグビーフットボール協会(現在のニュージーランド・ラグビー協会)が設立され、1905年から1906年にかけて初の北半球遠征が行われたました。
この遠征のメンバーが圧倒的な強さを誇る猛者揃いで、ひとたびボールを持てば疲れ知らずの体力でフィールドを駆け回り、全員がバックス(後衛で走力が求められるポジション)並みに足が早かったんですね。
それを見たイギリスの新聞記者が「全員がバックスだ!」と感銘を受け、新聞の見出しに「All Backs」と記した…はずだったのですが、印刷ミスなのか、ニュージーランド代表の真っ黒のユニフォームとあえてかけたのかはわかりませんが、”L”を足して「All Blacks」と印刷してしまいました。
「オールブラックス」誕生の瞬間です。
意図的なのか単なるミスなのかはわからないこのオールブラックスという名前は、ニュージーランド代表の脅威的な強さとともに知れ渡り、この愛称が定着することになったというわけです。
ちなみに当時北半球遠征に参加した27名のメンバーは、35戦34勝1敗という圧巻の成績を残した「オリジナル・オールブラックス」と呼ばれ、今でもその功績は讃えられているそうです。
オールブラックスのハカ(Haka)に込められた意味とは?【動画あり】
ラグビーニュージーランド代表(オールブラックス)といえば試合前に披露される「ハカ」ですよね。
ハカ(Haka)とはマオリ族の戦士による民族舞踊のことで、本来は手を叩いたり足を踏み鳴らしたりして戦意高揚や敵の威嚇が目的でした。
しかし現在ではニュージーランドの一般的な民族舞踊となっており、国賓を歓迎する舞として披露されたり、ラグビーの試合前に舞って相手に対する敬意や感謝を表す舞として披露されています。
ちなみに英語では「war cry」(ウォークライ、戦いの雄叫び)とも呼ばれます。
ハカにはカマテとカパ・オ・パンゴの2つがある
ハカ(Haka)には伝統的に用いている「カマテ(Kamate)」と、特別な試合だけで見せる「カパ・オ・パンゴ(Kapa o Pango)」の2種類があります。
まずはカマテから。
ワールドカップ2019では、ニュージーランド×カナダ戦やニュージーランド×ナミビア戦などで披露されました。
そして決勝トーナメントのニュージーランド×アイルランド戦で披露された「カパ・オ・パンゴ」がこちら。
このときはアイルランド側の観客が歌を歌ってハカに対抗するという、試合前から熱い展開でした。
オールブラックスが試合前にハカを始めたのはいつから?
オールブラックスが初めて試合でハカを踊ったのは1905年のイギリス遠征のときだそうです。
それ以降代表チームに受け継がれていて、100年以上も続く伝統の舞となっています。
またハカを先導するリードは、伝統的にマオリ族の血筋を引く選手が行なっています。
ただ、サモア系移民の元オールブラックスのタナ・ウマガは、偉大なオールブラックスキャプテンとして迎えられ、特例としてリードを任されたことがあるなど例外もあるようです。
必ずしもマオリ族でなければならないというわけでもないようですね。
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