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なぜ日本では偽札の偽造や流通が極めて少ないのか?納得の3つの理由を解説

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2019年4月9日、政府より1万円札、5千円札、千円札などの紙幣や500円硬貨のデザインを一新すると発表されました。

日本では通貨のデザインを約20年ごとに刷新してきた歴史があり、その最大の理由は「偽造防止のため」だそうです。

と言っても、諸外国に比べて日本での偽札や偽造硬貨の流通は極めて少なく、もし偽造通貨が発見されればニュースになるほどです。

一方お隣の中国では偽札の流通は日常茶飯事で、商行為の中で受け取った紙幣が本物かどうか確認することは当然の行為となっています。

また世界一の経済大国である米のドル紙幣なども偽造の格好の的で、過去に「スーパーK」や「スーパーX」などといった非常に精巧な偽の100ドル紙幣が流通しました。

ではなぜ日本では偽札や偽造硬貨が作られたり流通したりしないのでしょうか。

「なるほど納得」な3つの理由を以下でご紹介・解説していきます。

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もくじ

日本で偽札が流通しない理由①:通貨偽造の罪が重いため

これは日本に限った話ではありませんが、偽物のお金を作ったり使ったりしたときに科せられる社会的制裁が非常に重いものとなっています。

たとえば、通貨を偽造したり変造(千円札を加工して1万円札に似せるなどすること)したりすると「無期又は3年以上の懲役」という重罰が科せられます。

また偽造通貨や変造通貨を使用したときも同じく「無期又は3年以上の懲役」となります。

殺人罪による刑罰が「死刑又は無期若しくは5年以上の懲役」ですから、死刑がないのと懲役期間が少し短くなるかもしれないというだけで、いかに重い罪かということがわかると思います。

では、なぜ通貨偽造の罪にこれほどの重罰が定められているのでしょうか。

もし組織的に通貨偽造が行われ、大量に偽の紙幣や硬貨が流通してしまったとしたらどうなるでしょうか。

通貨の価値というのは国の信用によって成り立っており、もし流通している通貨の真贋がわからず信用がなくなってしまうと最悪の場合は国家が転覆しかねないため、その抑止力として通貨偽造には重罰が定められているというわけです。

日本で偽札が流通しない理由②:精巧すぎて偽札を製造できないため

日本の紙幣における紙質や印刷技術、透かし技術などは非常に精巧なものとなっており、世界でも最も偽造が難しい紙幣のひとつと認識されています。

現在の紙幣に使われている主な偽造防止技術を挙げてみます。

  • みつまたやアバカといった植物を利用した特殊な用紙で作られており、独特な風合いや光沢がある
  • 料額や”日本銀行券”などの文字には、インクを高く盛り上げる「深凹版印刷」が使われおり、触るとザラザラした感触がある
  • 「深凹版印刷」によるザラザラとした感触の識別マークがある
  • 光ににすかすと肖像画などが浮かび上がる「すき入れ(白黒すかし)
  • 角度を変えると見える画像が変わる「ホログラム
  • お札を傾けると色が変わったり光沢が出る「パールインキ」や「光学的変化インキ」の使用
  • カラーコピー機では再現不可能なほど小さな「マイクロ文字」の印字

このような多種多様な偽造防止技術が駆使されているため、日本紙幣の完璧な偽造はほぼ不可能と言えるでしょう。

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日本で偽札が流通しない理由③:偽札を作るのにコストがかかりすぎるため

上記した「精巧すぎて偽札を製造できない」という理由に似ていますが、日本紙幣が精巧すぎてもし偽造しようとしても額面以上に製造コストがかかってしまうと言われています。

たとえ本物の紙幣に近い偽札を作れる技術があったとして、紙の原材料や特殊なインクの費用、加工設備の費用などを考えたときに、到底割に合わない計算になってしまうようです。

確かに理由②で挙げたような偽造防止技術を研究して必要なものを揃えて、わざわざリスクの高い金儲けなどをするぐらいなら、普通に働いて稼いだほうがいいという結論になりますよね。

まとめ

以上、日本で偽札が流通しない3つの理由を解説しました。

納得いただけましたでしょうか。技術立国である日本ならではの理由でしたね。

ただ、刑罰が重いからだとか技術がすごいからという理由だけでなく、日本人ならではの良心によるところも結構大きいのではないかと個人的には思っていますし、そう願っています。

これからも良識と良心にあふれる日本人でいたいですね。

それではここまでお読みいただきありがとうございました。

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