安倍首相は10月14日、約1年後の2019年10月1日から消費税を現行の8%から10%へ引き上げる方針を固めたと発表しました。
いつになるかと騒がれていた消費増税ですがついに実施が決定しましたね。
もうこれ以上延期することはないでしょう。
家計の負担が増えるのは苦しいですが、増税した分がきちんと社会保障などに使われるのであれば致し方ないと考えています。
ただ日本って借金大国なので、ちょっとやそっと税収が増えたところで私たちの目に見えるような恩恵を享受できる可能性は低いだろうな…と考えてしまいますよね(^-^;
ではそもそもなぜ消費税を増税するのか。
それによってどのようなメリットやデメリットが生じるのか。
気になったのでいろいろ調べて、できるかぎり簡潔にわかりやすくまとめてみました。
なぜ消費税を10%に増税するのか
そもそもなぜ消費税を増税するのかという点ですが、まぁこれはズバリ「国の予算を増やすため」です。
国が自由に使えるお金を増やすためということですね。
もちろん国の予算を増やす方法は他にもいろいろあるのですが、消費税は所得税や法人税、酒税などの他の税金と違って「誰からも等しく徴収できる税金」という性質があるので、国としてもお手軽かつ、どれくらい税収が増えるかがわかりやすいんですよね。
「てっとり早く金を集めるならやっぱ消費税増税だろ!」
極端にいうとこんな感じかと。笑
また1997年に消費税が5%になったとき、消費税による税収は9兆円あったそうです。
そして今回10%へと引き上げられるということは、ものすごく単純に計算すると18兆円の税収が見込めるというわけです。
(実際は消費税増税によって消費が冷え込むことが予想されるので、この数字よりは少なくなると思われます)
難しいことを考えなくても手軽にこれだけの税収を増やすことができる。
借金大国である日本にとってはおいしい政策であることは間違いありません。
国民にとってはたまったものではありませんが…
消費税増税によるメリットとデメリットとは
では消費税増税によってどのようなメリットやデメリットがあるのかを見ていきましょう。
消費税増税の5つのメリット
ばばっと箇条書きにしてみます。
- 安定した税収を確保できて国の予算が増える
- 社会保障制度が充実する
- 公共事業を支援できる
- 低所得者層への支援ができる
- 震災からの早期復興が期待できる
消費税増税によってこのようなメリットが生まれます。
最近の日本は急激に少子高齢化が進んでおり、社会保障制度の充実や年金制度の安定が重要視されてきています。
このままでは2050年には65歳以上の高齢者が日本の総人口の約38%になると言われていますから、早急な対策が必要です。
また日本では地震や大雨などの震災による被災者支援や公共設備の復旧などかかる費用も少なくありません。
いつ、どのくらいの規模の災害が起きて、どれだけの被害を被るかの予測が難しい日本においてここの予算は重要です。
さらに母子・父子家庭、失業者への給付や生活保護などに関わる予算の拡充も急務です。
特に生活保護の受給者とともに不正受給者も年々増加しており、これの調査や取り締まりにも力を入れていく必要があります。
消費税増税の5つのデメリット
次に消費税増税によるデメリットを見ていきましょう。
たぶん誰もがこちらの方が気になることでしょう。笑
- 国民の負担が増える
- 消費者の購買欲が減り、景気が悪化する
- 中小企業の負担が増える
- 低所得者の生活が苦しくなる
- 駆け込み需要の反動を受ける
何を買うにしてもその値段の1割が上乗せされることになるので、私たち国民の負担が増加するのは火を見るよりも明らかです。
その結果、「家計の負担が増えたし、あまり物を買わないようにしよう」という流れが起き、国内消費が冷え込んでいきます。
そうすると景気が悪化してすべての企業が影響を受けることになるのですが、特にこれまでなんとか経営できていた中小企業の負担が大きくなり、最悪倒産となる企業も出てくることになります。
また経営が悪化することで雇用も縮小し、失業者も増えることになりますので、国民の消費意欲はさらに減衰していくという負のスパイラル(経済用語で言うところの「デフレスパイラル」)が生じかねません。
また消費税増税前には駆け込み需要が発生して一時的に景気が上向きますが、増税後はその反動を受けて物が売れなくなってしまいます。
このように消費税増税には様々なデメリットがはらんでいます。
消費税増税によるメリットやデメリットのまとめと所感
以上、消費税増税によるメリットとデメリットを簡潔にまとめてみました。
正直、過去の消費税増税時の影響を顧みてもメリットよりデメリットのほうが大きかったよなぁと感じているので、今回もあまり期待はしていません。
飲食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率制度の実施や、幼児教育・保育の無償化などの消費増税対策案なども謳われていますが、どこまで実現できるのかあやしいものです。
国が決定した事項ですから従わざるを得ないのですが、これだけ多額の税収を得るのですから賢く正しく、公明正大に税金を使っていただきたいと願うばかりです。
ここまでお読みいただきありがとうございました!