2018年12月末に85歳になられる天皇陛下は、高齢と健康上の理由で公務を行うことが難しくなったとして2019年4月30日に退位されることが決定しています。
明治時代に「天皇は一度天皇になると亡くなるまでその地位を維持し続ける」という制度が定められたのちは、天皇が存命中に皇太子に地位を譲ることは認められませんでした。
しかし前述した理由などにより2017年6月に特例法が可決され、1817年の光格天皇が生前退位されて以来、実に約200年ぶりの出来事となりました。
2019年5月1日に現在の皇太子さまが天皇に即位され、新しい元号がスタートします。
さて、そうなると話題に上がるのが「新元号は何になるのか」ということです。
既にTwitterなどでは様々な予想…というより大喜利が行われていますが(笑)、そもそも新元号がどのように決められるのか、なにかルールはあるのか、「年号」という言い方もあるが違いはあるのかなど、いろいろと疑問もわいてきます。
ということで今回は「元号」や「新元号」に焦点を当てて解説していきたいと思います。
※2019年4月1日、新元号「令和」が発表されました。
詳しくはこちらをご覧ください。
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そもそも「元号」ってなに?年号との違いは?
「元号」とは特定の年代につけられる称号のことで、起源は中国の漢の時代から使用され始めたとされており、その後近隣諸国にも広まったようですが現在でも使用しているのはなんと日本だけなのです。
日本での正式に定められた最初の元号は「大化(たいか)」で、西暦645年6月19日~650年2月15日までです。
誰もが知っている「大化の改新」で豪族中心の政治から天皇中心の政治へと移り変わり、元号が使われ始めました。
元号は西暦に対して和暦と呼ばれることもあります。
また、「年号」という呼び方をすることもありますが、基本的に元号と年号は同義で違いはありません。
江戸時代までは「年号」、明治時代以降は一世一元の制(元号を君主の在位中には変えない制度)が原則となり「元号」が公称となったという経緯があります。
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新元号の決め方とは?ルールはある?
新しい元号は、1979年(昭和54年)6月6日に定められた「元号法」によって決められます。
元号法とは、以下の2項で構成される日本の法律です。
- 第1項:元号は、政令で定める。
- 第2項:元号は、皇位の継承があった場合に限り改める。
政令とは、日本国憲法に基づいて内閣が制定する命令のことです。
また皇位の継承は、天皇陛下が御崩御なさった(お亡くなりになられた)ときや、今回のように生前退位されたときなどに行われます。
具体的な流れとしては、内閣総理大臣が数名の有識者に依頼して、2~5つの候補名を提出します。
その候補案を内閣官房長官が検討・整理し、その結果を内閣総理大臣に報告します。
元号の選定には以下のような事項に留意するものと定められています。
- 国民の理想としてふさわしいようなよい意味を持つものであること。
- 漢字2字であること。
- 書きやすいこと。
- 読みやすいこと。
- これまでに元号又はおくり名として用いられたものでないこと(過去の元号の再使用は不可)。
- 俗用されているものでないこと(人名・地名・商品名・企業名等は不可)。
<引用:Wikipedia>
その後、整理された候補案は総理府総務長官、内閣官房長官、内閣法制局長官らによって精査され、新元号の原案として数個の案を選定します。
さらに全閣僚会議において新元号の原案について協議し、内閣総理大臣は新元号の原案について衆議院・参議院の議長及び副議長に連絡して意見を聴取します。
そして閣議において、改元の政令の決定という形で決められます。
・・・堅苦しい文章になりましたが、以上のような流れで新元号が決定されるわけですね。
上記赤枠で記載した新元号選定時のルールにも書きましたが、元号には国民の目標や理想となるようなものが選ばれます。
たとえば「平成」には「地平天成(地平かに天成る)」から「国の内外、天地とも平和が達成される」という意味が込められています。
また1文字が15角以内で、読み書きがしやすい文字であることも重視されているみたいですね。
さらに特定の人物や企業に有利に働かないよう、人名や企業名なども避けるそうですから、元号を決めるのも楽ではないなと思いますね(^_^;
ちなみにこれらの”ルール”は法律ではなく、元号選定におけるガイドラインのようなものです。
実際に選ばれる新元号がこのルールに則っていない可能性もあるということです。
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新元号の発表はいつ?
平成の次の元号は、2019年4月のはじめに事前公表するとのことです。
政府は「平成」に代わる新しい元号を来年4月のはじめに事前公表する方針であることがわかった。
来年5月の改元に向けて政府内ではこれまで、新元号の公表時期を4月はじめとする案と、4月10日の、天皇陛下の即位30年を祝う式典の後にする案が検討されていた。
複数の政府関係者によると、官公庁などのシステム改修への影響を考慮した結果、4月はじめに公表し、作業を始めなければ国民生活に影響が出る可能性があると判断した。
政府はまた、公表時期について年明けに明らかにすることを検討している。
<引用:ライブドアニュース>
今回は天皇陛下の生前退位ということで事前に元号の切り替え時期がわかっていたのですから、正直もっと早めに公表できたのではないかと思ってしまいます。
特にカレンダーや手帳、IT業界などは改元による対応に追われることでしょうし、4月はじめに発表→5月から新元号!と言われても間に合わなそうですよね…。
来年の春は多くの企業にとって例年以上に忙しない季節となりそうです。
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気になる新元号の候補・予想は?
新元号についてはリアル・ネット問わず、実に様々な予想や推測がされています。
まず、明治(M)、大正(T)、昭和(S)、平成(H)のイニシャルに被らないように、ま行、た行、さ行、は行から始まる漢字は使われないと思われます。
また「永」、「元」、「天」、「治」、「応」、「安」など、過去に10回以上元号に使われてきた漢字があり、「読み書きしやすく、いい意味も持つ漢字」がそう多くないことからも、これらの漢字のどれかが使われる可能性が高いとも予想されていますね。
ソニー生命保険が行った新元号予想アンケートによると、1位「平和」、2位「和平」、3位「安久」、4位「未来」、5位「自由」・「新生」などが挙がっているようです。
どれもあまりひねりの無い感じが否めませんが、「安久」などは読み書きしやすく意味もわかりやすい上に、イニシャルも「A」で近年の元号と被らないので良いかもしれませんね。
ただ、事前に話題になってしまった案などは避けられやすいので、やはり可能性としては低いと思います。
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まとめ
以上、新元号についてまとめてみました。
東京の山手線新駅の名前が「高輪ゲートウェイ」に決定したときもそうですが、多くの人に認知されるであろう新名ってやっぱり気になりますよね。
ましてや元号などは日本国民全員にもれなく関わってくるものですから、その注目度は駅名の比ではありません。
まだ新元号発表までしばらくありますが、素敵な元号になることを祈るばかりです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。
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